皆さまこんにちはー。

歴史に明るくないけれど、
歴史ものには興味があるデトックス花が通りますよ

そんなわけで今回は、歴史ファンタジー漫画、
伊藤悠先生『シュトヘル』をご紹介したいと思いますー。

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あらすじはこんな感じです。

物語の舞台は13世紀初頭、蒙古(モンゴル)軍による
西夏国(タングート)侵攻が続く時代。
有名なチンギス・ハンが大陸を席巻していた時代です。

主人公はタイトルにもなっているシュトヘルとあとユルールという少年です。
シュトヘルはモンゴルに侵攻されている西夏人で、
もともとはちょっとおっとりした一介の女性兵士でした。
しかし、仲間をモンゴル軍に皆殺しにされ、
その仲間の遺体を死肉を漁る狼から守るために戦っているうちに
精神的にも肉体的にも化け物のようになっていきます。
その後は取り憑かれたようにモンゴル軍を殺戮していくのですが、
ユルールと出会って変わるわけです。

対するユルールはツォグ族という民族の族長の子供です。
ツォグ族は一族を守るために、モンゴルの傘下に降っています。
ユルールの父と兄ハラバルは一族を守るために、西夏国の侵攻に力を貸しますが、
平和を愛するユルールは義母の国である西夏国への侵攻には否定的で、
狩りや戦いよりも文化的なことを愛しています。
戦いを否定するユルールは武力を重んじるツォグ族からは浮いており、
兄ハラバルだけはそんな優しいユルールを理解し、
お前は殺さなくていいと優しい言葉を投げかけます。
(ちなみにハラバルの母親は西夏人なので、亡き母の国を滅ぼさなければ
 ならないという辛い立場にあります。そして、ユルールとハラバルに
 血のつながりはありません)

チンギス・ハンは何故か異常なまでに西夏国を滅ぼそうとしており、
特に西夏国が作った文字、西夏文字に対して激しい執着をみせます。
西夏の文字が書かれているものは全て焼きはらい、
この地上から西夏文字という存在をなくそうとします。

義母から教わった西夏文字はユルールにとって大切なものでした。

ユルールは言います。

「草原には文字はない。強いときは生きて弱いときは死ぬ。
 草原では心は止まらない。想いも約束もすべて忘れられくりかえされていく。
 ーーー文字は、人を憶えておくために生まれた。
 遠くにあっても、時を越えても、人と人とが交わした心を伝え続ける・・・
 だから、心底美しい。おれはあこがれるーーー」


ユルールは西夏という国が滅びても文字だけは後世に残そうと、
兄や一族と敵対することになることを覚悟で、
ツォグ族とは別れ、西夏文字を守るための旅に出ます。

そして、そこでシュトヘルと出会って、という話です

デトックス花的にこの物語の好きなところは「文字」という存在を
守ろうとする人たちの戦いというところでして。
財宝を求めるわけではなく、国を守るわけではなく、
「文字」って。
でもそれってすごく大切なことなんじゃないかなー、と。
違う文字では代用は効かないと思うのです。
例えば、ある日、日本から漢字、ひらがな、カタカナがなくなってしまったら、
代わりにアルファベットで記すように、なんてことになったら、
明確に自分の気持ちや出来事を記すことはできないんじゃないかな、と。

日本人の曖昧で微妙な、もののあわれ的な感情は日本の言葉でしか
表せないのではないかな、と思うのです。
だから、ユルールにとって西夏人にとって自分達を記すことのできる
たった一つの言葉を命にかえても守りたいという気持ちが胸を打つのです。

あー、うん。
自分が何を言いたいのか良く分からなくなってきましたよー

ままま、とにかくとっても面白い漫画なので、
是非、読んでみてくださいー

ではでは、今回はこの辺で。
ご清覧ありがとうございますー。

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