活字組版の技術と歴史

古くから行われていた印刷は、活字組みの歴史と言ってもよいでしょう。
今でこそDTPでコンピューター上で自由に文字が組めましたが、その昔は高度な技術が必要でした。

活字とは


活版印刷の際に文字の図形を対象(特に紙)に印字するもので、木や金属に字形を刻み、それにインキをつけて印刷できるようにしたものです。現代では、写真植字の文字盤やDTPに於けるデジタルフォントも活字に含みます。

印刷の歴史始まった頃の活字は、木やがて金属に文字形を彫刻していました。
そのうち、型があれば大量に生産できる鋳造活字になっていきました。

日本に於ける活字


日本語は非常に字形が多く、欧文のようにアルファベットだけではなく漢字やひらがななどがあります。
そのため活字の普及は遅く、江戸時代では浮世絵のように版木による整版印刷が主流でした。

この方法は増刷が可能であり、浮世絵も大量に印刷することが出来たのです。

幕末となり、西洋文化を取り入れる気運が高まり、その際に活字を取り入れていくために試行錯誤をしていきます。
最初の漢字活字は「明朝体」で、平仮名活字の最初の文字のモデルを書いたのは、ある新聞記者(または実業家、教育家)でした。
その後、出版部数の増大、紙型の発明により、19世紀末より日本など漢字文化圏においても、活版印刷が普及していきました。

活字を組む工程

活版印刷をする際、活字を組むことから始まります。
日本語の文字は非常に膨大なため、原稿をみながら必要な文字だけ選びとります(文選)。
原稿を見ながら、活字を組んでいきます(植字)。
組版ステッキ上に並べていき、数行ごとにゲラに移しながら版を作っていきます。

この一連の、文字ごとに大きさの違う数千種以上の活字から適切なものを選択し、印刷寸法に応じた枠内に配置するには、非常に高度な訓練と経験を必要とします。職人と言われるのはこのためです。

版全体が仕上がると、ばらばらにならないように糸で縛ります。
この版に誤植がないかを、試し刷りをして確認し、校了になると印刷機に取り付けて本印刷となります。

印刷後はインキを落とし、活字ごとに版をバラバラにして片付けます(解版)。
ここまでが組版です。

活字の現代

活版印刷からオフセット印刷が主流となり、活字は写真植字機による植字、その後電算写植、DTPによるモノへと変化をしていきました。

写真植字機による文字組は、活字ではできなかった、ツメの技術が出来るようになったり、文字の斜体や長体・平体(文字形を横方向に幅を変えること)が出来るようになり、文字が読みやすくなっていきました。

写真植字機による文字組でも、活字組版の技術が応用され、文字ツメや行間など、職人の経験と技術が必要だったのです。

現代は、プロポーショナルフォントが多く普及されることにより、技術を持っていなくても簡単に組版を作成で居るようになっています。

活字組版活版印刷が持つ風合い

日本語の文字組は非常に特殊で、漢字同士でも微妙な間隔が必要になる場合があります。
コンピューター上で等間隔、ツラが合っていても、「見た目が違う」場合があります。
この時に、調整できる「目」が必要であり、読みやすい文章を組むという意識を持って、行いたいものです。

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