明朝体のフォント使い分けについて
明朝体とは、漢字や平仮名、カタカナの字形の標準的な書体です。セリフ体に属し、明治の活字技術の導入期に広がっていきました。
活字として生まれた書体のため、彫刻または鋳造しやすくできるよう、縦画と横画はそれぞれ垂直・平行で、縦画は太く、横画は細いなど、決まった形容をしています。また、隷書の特徴を残し、また彫刻しやすいよう、簡略化されている部位もあります(しんにょうなど)。
活字の特徴上、幅を同じくした正方形に近い漢字で、一般の字形と別の形をしているものもあり、そのことが字体問題に発展しています。
字体問題とは
ある国の漢字事典の表記と、活字の明朝体との違いによって浮上した問題のことです。
活字として生まれた明朝体は、彫刻しやすくするためや読みやすく、形式化することにより、従来の楷書とは違う字形になっているものがあり、その字体や画数が事典の表記と違うことになってしまったのです。
例えば、筆おさえは楷書では「押さえ」としてあるもので、明朝体ではひとつの形となって表現されてしまいます(セリフ体にみられるひげやうろこなど)。
草かんむりでは、明朝体では3画が当時の正しい画数は4画であるなど、対立が起こりました。
しんにょうなどの簡略化したものは、教育現場では正しくない表記となってしまうため、明朝体を使用しなかったり、使用しても「印」や「収」などの折れ曲がりの部分、しんにょうが楷書と異なるとして特別に変えた書体が普及しました。
教科書体や楷書体
楷書体は、明朝体が発明される前にあった活字です。
印刷に適している簡易な明朝体よりも、筆記の字形にかなっていて日本の教科書体、弘道軒清朝体、正楷書体、台湾の標準楷書体(標楷体)などに見られます。
明朝体の字体問題を受け、教育現場では明朝体ではなく別の書体が使われるようになっています。
それが教科書体です。
「教科書体」は、「小学校国語学習指導要領」の「別表学年別漢字配当表」にある漢字書体にしたがって作られています。小学生が教科書を見て筆記する「写筆」をしても間違いがないように作られた書体で、筆記と同じ書体です。
中学校の教科書では、「読むことを目的とした文章の量が多い」「小学校で漢字学習を経験してきた」などの学習の発達段階を考え、生徒が書籍などで目にすることが多い「明朝体」を使用しています。ただ、新出漢字を表すものは、やはり筆記に間違いがないように、教科書体が使われています。
明朝体の歴史
明朝体の歴史は、活版印刷の歴史、印刷の歴史でもあります。
活字が日本に入ってきた時、中国の活字を真似て作成しました。その時はまだ楷書体であり、しかもひらがなの活字がなく、活字組版の方法は普及していきませんでした。
明治に入り、活字の普及が始まった時、漢字のみの表記ではなく仮名表記を広める動きもあり、平仮名の活字を作る動きがあらわれ、新聞などで使用されていきました。
1910年ころになると、印刷の技術の向上と紙が劣悪化していくなか、細い字体が求められるようになります(太いとにじむため)。細字化とカナ文字派の「仮名の視認性の高上」などの動きから、仮名文字を大きく形作る「明るい」書体が作られるようになりました。
昭和に入り、写真植字が普及された頃、写研やモリサワで、今の明朝体が確立していきます。
明朝体の持つイメージ
日頃、一番多く見る書体が「明朝体」ではないでしょうか。
基本になる書体だからこそ、字形やカーニングに拘り、よみやすい文字組をしたいものです。
名刺の書体も、明朝体や教科書体が一番信頼性が高いという声が多いようです。
きっちりした印象があるせいなのかもしれませんね。
ご意見、ご要望などございましたらコチラまで、是非ご連絡ください。
明朝体とは、漢字や平仮名、カタカナの字形の標準的な書体です。セリフ体に属し、明治の活字技術の導入期に広がっていきました。
活字として生まれた書体のため、彫刻または鋳造しやすくできるよう、縦画と横画はそれぞれ垂直・平行で、縦画は太く、横画は細いなど、決まった形容をしています。また、隷書の特徴を残し、また彫刻しやすいよう、簡略化されている部位もあります(しんにょうなど)。
活字の特徴上、幅を同じくした正方形に近い漢字で、一般の字形と別の形をしているものもあり、そのことが字体問題に発展しています。
字体問題とは
ある国の漢字事典の表記と、活字の明朝体との違いによって浮上した問題のことです。
活字として生まれた明朝体は、彫刻しやすくするためや読みやすく、形式化することにより、従来の楷書とは違う字形になっているものがあり、その字体や画数が事典の表記と違うことになってしまったのです。
例えば、筆おさえは楷書では「押さえ」としてあるもので、明朝体ではひとつの形となって表現されてしまいます(セリフ体にみられるひげやうろこなど)。
草かんむりでは、明朝体では3画が当時の正しい画数は4画であるなど、対立が起こりました。
しんにょうなどの簡略化したものは、教育現場では正しくない表記となってしまうため、明朝体を使用しなかったり、使用しても「印」や「収」などの折れ曲がりの部分、しんにょうが楷書と異なるとして特別に変えた書体が普及しました。
教科書体や楷書体
楷書体は、明朝体が発明される前にあった活字です。
印刷に適している簡易な明朝体よりも、筆記の字形にかなっていて日本の教科書体、弘道軒清朝体、正楷書体、台湾の標準楷書体(標楷体)などに見られます。
明朝体の字体問題を受け、教育現場では明朝体ではなく別の書体が使われるようになっています。
それが教科書体です。
「教科書体」は、「小学校国語学習指導要領」の「別表学年別漢字配当表」にある漢字書体にしたがって作られています。小学生が教科書を見て筆記する「写筆」をしても間違いがないように作られた書体で、筆記と同じ書体です。
中学校の教科書では、「読むことを目的とした文章の量が多い」「小学校で漢字学習を経験してきた」などの学習の発達段階を考え、生徒が書籍などで目にすることが多い「明朝体」を使用しています。ただ、新出漢字を表すものは、やはり筆記に間違いがないように、教科書体が使われています。
明朝体の歴史
明朝体の歴史は、活版印刷の歴史、印刷の歴史でもあります。
活字が日本に入ってきた時、中国の活字を真似て作成しました。その時はまだ楷書体であり、しかもひらがなの活字がなく、活字組版の方法は普及していきませんでした。
明治に入り、活字の普及が始まった時、漢字のみの表記ではなく仮名表記を広める動きもあり、平仮名の活字を作る動きがあらわれ、新聞などで使用されていきました。
1910年ころになると、印刷の技術の向上と紙が劣悪化していくなか、細い字体が求められるようになります(太いとにじむため)。細字化とカナ文字派の「仮名の視認性の高上」などの動きから、仮名文字を大きく形作る「明るい」書体が作られるようになりました。
昭和に入り、写真植字が普及された頃、写研やモリサワで、今の明朝体が確立していきます。
明朝体の持つイメージ
日頃、一番多く見る書体が「明朝体」ではないでしょうか。
基本になる書体だからこそ、字形やカーニングに拘り、よみやすい文字組をしたいものです。
名刺の書体も、明朝体や教科書体が一番信頼性が高いという声が多いようです。
きっちりした印象があるせいなのかもしれませんね。
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