ノスタルジックでレトロな雰囲気ただよう印刷といえば、「ステンシル」と「ガリ版」。
手作り感満載で、趣味の要素もある印刷方法です。

ステンシル印刷

ステンシル印刷は、シルクスクリーンと言われます。
インキが通過する穴と通過しないところを作り、版画の版を製版し印刷します。
孔版画でメッシュを使うものは全てシルクスクリーン技法とし、シルクを使う使わないに限定されません。

家庭で出来るお手軽なものが、「プリントごっこ」。
まだ家庭用パソコンやプリンターがなかった時代に、自分で年賀状ができるということで使われました。

特殊なペンを使い、シルクの版に絵や文字を書き、それがそのまま版となります。
多色刷りも出来るため、大いに使われました。

一般的なシルクスクリーンは、プリントごっこと原理は同じですが、多色刷りの場合は色の数だけ版を用意します。
現在では美術・工芸の要素が強く、シルクスクリーンを活用し、芸術活動を行っている芸術家が作品を発表しています。

ガリ版印刷

同じように、レトロな印刷技術といえば「ガリ版印刷」。
子供の頃、職員室で手伝ったり、学生の頃冊子を作成するのに使った方も多いでしょう。

この「ガリ版印刷」。謄写版(とうしゃばん)は、印刷方法の1つで、発明したのはあの「トーマス・エジソン」。
蓄音機や電球などを発明したエジソンです。
1893年頃に原型が作られ、日本の発明家が改良し、20世紀の全般を通して使われました。

ロウ紙と呼ばれる特殊な原紙を専用のやすり(鑢盤)の上に載せ、ヘラや先の尖った棒のような形状の鉄を木の軸に固定した器具「鉄筆」を強く押し付けて、絵や文字の形に原紙を傷つけて版を作ります 。この部分は紙の塗料がヤスリ目の形にけずれ落ちて細かい孔がたくさん開きます。
木枠に細かいシルクスクリーンのような網を取付け、その下に製版の終わった原紙を置き、ガラス板の上などでインキを練り伸ばしたローラーを手前から転がしてインキを圧し着けて行くと、「透かし」部分だけインキが通過し、下に置いた用紙に印刷されます。シルクスクリーンとよく似ていますね。

漢字・ひらがな・カタカナと、活字製版が難しい日本では、ガリ版印刷はとても手頃な印刷方法でした。
少部数の印刷に使われ、1950~1980年代には演劇や映画の台本や、楽譜、同人誌などは「ガリ版文化」と呼ばれつほどの代名詞でした。

1970年ころから、鉄筆ではなく「ボールペン原紙」や「ファックス原紙」に変わり、印刷機も輪転機となりました。今でも地方の公民館や学校に残っているところもあるでしょう。

現代でも、ガリ版印刷キットなどで楽しむことが出来ます。
また、一部の芸術家が使用して作品を作っています。

【まとめ】

懐かしさを感じる印刷物の特徴は、グラデーションが甘かったり版ズレを起こしていたり、手書き文字だったりします。これは、その時代の印刷技術によるものであったのです。

レトロな感じを出したい時、その時代の印刷技術を知ることで、デザインの仕方がわかります。
用紙にもこだわれば、尚雰囲気を出すことが出来ますね。

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