鉛筆画をきれいに ハイライト製版とは

網点部分を飛ばし、コントラストを強めに調節した版のことをいいます。
現代ではphotoshopなどのソフトですぐに出来てしまいますが、その昔は製版の技術でした。

ハイライト製版の用途

写真やイラスト・マンガ原稿をそのまま版にすると、修正した跡や紙の調子、陰影なども写り混んでしまいます。

その影を飛ばし、ハイライト部分を強調しコントラストを強めにコントロールすることで、紙の調子や影、細かい修正痕をなくします。
こうすることで、描かれたイラストのみが製版できるようになります。
スキャナで ハイライトドロップアウトを効かせて、任意の網点%以下の 濃度をとばして作成する方法などがあります。

ハイライト製版と版下

アナログ製版時代は、ガラススクリーン・コンタクトスクリーンというフィルム状のものを感材にかぶせて、網点を作っていました。
このスクリーンは、見た目は等間隔の点のようなフィルムですが、点の中心部が透過しづらく周辺は透過しやすくなっており、光の強さで点の大きさに換えることができます。

写真フィルムのように中間の濃度を表現できるフィルムでは、ぼやけた点になってしまいますので、製版用のフィルムは黒と白(透明)がくっきりとするように作られており、ぼやけない網点が生成されます。

網点の大きさは175線では0.145mmが最大です。従って、グレーの0.1mmの線は、網点にして印刷すると、ただの点線になってしまいます。画面では網点ではなく光の強さで表示していますので点線には見えません。プリンターでは解像度が低いので細い線は太くプリントされます。

こうして網点にした写真やイラストを切り貼りして、版下を作成し、それを撮影してフィルムを作成し、そうして版をつくっていました。
版下職人は、このハイライトの数値や線数、網掛けの濃度なども知識に入れて、モアレが出ないように考慮しながら出力し、版下用の写真・イラストを用いていました。

いまではこのスキャナを見ることも難しくなってしまいました。

【まとめ】
 
今ではphotoshopで一発変換可能なハイライト製版。
解像度や線数の知識があると、どの程度の濃度で行えばよいのかがわかります。
モノクロの世界は、カラーよりも複雑で繊細です。
鉛筆画や細いペン画が美しく印刷できるようになったのも、先人の技術と経験の賜物なのです。

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