Photoshpを操作していて、やりたいことがあるのに上手くいかない、ということがあるでしょう。
そんなとき、パネルやダイアログの中に“あれ、こんな項目あったっけ?”と普段は見落としがちな小さなことに気づくかもしれません。
「包括光源」というのも、普段は気にもとめずにいるかもしれませんね。

そもそも「包括光源」って?

どんなときに包括光源が気になるのか、ちょっと例をあげてみますね。
Photoshopで立体的な球を描きたいというシーンを思い浮かべてみてください。
まず楕円形選択ツールで真円の選択範囲を作り、その中を塗りつぶすでしょう。
ちなみに私は50%グレーで塗りつぶしたり、雲模様1を描画することが多いです、色は後からどうにでもなりますから。

次に「レイヤースタイル」を使って立体的な表現をします。
レイヤーパネルで、真円の選択範囲を作ったレイヤーをダブルクリックすると「レイヤースタイル」のダイアログが開きますね。
「レイヤースタイル」の中から「ベベルとエンボス」を選びます。
陰影を描画する、つまり明るく光が当たっている部分と陰になった部分を描写してくれて、簡単に立体的な表現ができますね。

ここで、どちらから光が当たっているか、つまり光源の位置を設定するべきなのですが、Photoshopではデフォルトで左上に光源があるように設定されています。
光源の位置を変更するには、「ベベルとエンボス」の設定画面の「陰影」のカテゴリで、光源の角度と高度の値を変更すればいいのです。
数値を入力してもいいですし、ホイールのようなものをドラッグしてもいいです。

その、ホイールの右横、角度と高度の入力フィールドの間に、「包括光源を使用」というチェックボックスが存在しています。
デフォルトでチェックが入っていると思います。

必要に応じてチェックを外して

「包括光源」の意味するところは、いま作業しているドキュメントでは光源の位置を一括で設定しますよ、ということです。
仮に20のレイヤーを作ったとしたら、すべてのレイヤーで光源は同じ位置に、包括して設定しますよということになります。

普通に考えれば、光源は一定であるほうが自然に思えます。
ですがこれを、あえて変えたい場合があるんですね。
立体的な球を描きたいというシーンを、また思い浮かべてみてください。
「ベベルとエンボス」で立体的な表現ができたと思いますが、なにか物足りない……確かに左上から光が当たって明暗ができていてるが、まだまだ立体感が弱いと感じる。

こんなとき、別の光源を設定するのです。

やや話は逸れるかもしれませんが、カメラマンがスタジオで撮影する際、被写体に当てる照明はひとつではありません。
被写体の背後や斜めの位置にも照明を用意します(3つ以上の照明を用意するのも珍しくないでしょう)。
光源が複数あるほうが、立体感が増すわけなんです。

これをPhotoshopでも応用するのです。
同じレイヤーで「レイヤースタイル」の「シャドウ」を追加してみましょう。
デフォルトの左上の光源によってできる明暗とは別に、真上方向にも光源があると想定して、球の下部に影を落とします。
このとき「シャドウ」の光源を操作するために「包括光源を使用」のチェックを外してください。
チェックを外すと、「ベベルとエンボス」で設定されている光源とは別の位置に光源を設定できるようになります。

どうでしょうか。目立たないチェックボックスですが、けっこう影響力のある項目なんですね。
「包括光源」に限らず、ダイアログに表示されている細かい項目も見逃さず、それがどういうものか理解することで表現力が高まります。
繊細な明暗の描写をしたら、優れた階調表現で再現できるプリントビズのオフセット印刷をご利用くださいね。

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