鈴木です。こんにちは
皆さんはどのようなOS環境で?アプリケーションは何で?フォントは何を使って印刷用データを作成されていますか?
きっと「Windows2000でワードXPでダイナフォントで」とか「MacOS9.●でイラストレータ9でモリサワCIDで」とか様々なお答えを頂くと思います。
データは作成された時と同じ条件で開いた時が、最も再現性が高いと思いますが、多種多様なデータが入稿される印刷会社で、個々に全ての条件を満たしてデータを開くことはとても無理なことです。メジャーなアプリケーションとフォントを用意して対応しているのが現状です。
では、対応しているもの以外で作成したデータを印刷データに活用することは出来ないのでしょうか?
そのままのデータではダメなのですが、方法はあります。共通のデータフォーマットに変換すればいいのです。
共通のデータフォーマットというのがPDFです。
PDFとはPortable Document Formatの略で、アドビシステムズ社が開発したMacやWindows、UNIX等の異なるプラットフォーム上や同じプラットフォーム上でも違う環境やアプリケーションの異なるバージョン間でも文書の閲覧や印刷を可能にした共通の文書交換フォーマットです。
PDFには様々な仕様や複数のバージョンが在ります。
Web閲覧用に作成されたPDFを印刷に用いても満足いくものが出来ません。
そこでPDF/X-1aの登場です。PDF/X-1a(PDFX=Portable Document Format eXchange)とはISOで定めた規格で、従来の印刷工程の内容を特に重視した規格になっています。
参考までに以下は「PDF/X-1a:2001」の規格の内容です。
" PDFのバージョンはPDF1.3(Acrobat4)
" PDFデータに透明の情報は含まない
" フォントは全て埋め込みます(またはアウトライン化)
" 全てのカラーモードはCMYK+特色です
" カラーマネージメントは使用しません
" PDFに含まれる画像は実画像です
" PDFは暗号化されてはいけません
" OPIの情報は含めません
" トランスファ関数やハーフトーンスクリーン情報は含めません
" トラッピング、出力インテントが指定されています
つまり、PDF/X-1aのデータは文字化けの可能性が少ない、すべての実画像が埋め込まれていて、リンク切れなどによるトラブルがなくなり、RGBなどからCMYKへの変換をしなくても良くなる。
透明効果の情報が無いのでRIPトラブルが少ない等のメリットがあり、ネイティブファイルで入稿いただくより安心できるデータだという事です。
では、PDF/X-1a形式のPDFを作成するにはどうすれば良いでしょうか?
Adobe Acrobat6Professional (StandardやElement除く)以降のバージョンを使うと比較的簡単に作成できます。
誤解しないで下さい。Acrobatで無いとPDF/X-1a形式が出来ないと言う事ではありません。
PDF/X-1aはあくまでも規格です。他のPDF作成ソフトでもPDF/X-1aの規格に合えば良いという事です。各アプリケーションの環境設定でパラメータを設定しPDF/X-1aの規格に準拠させて下さい。
しかし、PDF/X-1aだから絶対にトラブルが無いとは言えません。
仕上がりに関しては保障されたものでは無く、例えば塗り足しが無くても、画像の解像度が低くても、誤字脱字があっても、校了前のデータでもPDF/X-1aに準拠します。
また、空白文字が「・・」に化けたり、マイターの結合角(罫線の角)の形が違う等の報告もあるようです。
プリントビズでは印刷に入る前には、ご入稿頂いたデータを元にPDF(PDF/X-1a)を作成し、お客様にプレビューを見ていただいた上で印刷工程へ進むご承認を頂いております。
プレビューは十分にご確認頂けますようお願い申し上げます。そして、何かご不明な事などございましたら、直ぐにプリントビズまでご連絡ください。
プリントビズは24時間何時でもお客様をサポートいたします。