こんにちは、鈴木です。
Photoshop(Photoshop-Elements)でのご入稿も増えてまいりましたが、残念ながら印刷に適したデータで頂けるケースは多くは有りません。
そこで、今回はポストカードの作成を例にPhotoshop(Photoshop-Elements)でご入稿いただく際のご注意点を幾つかお話します。

新規でデータを作られる際に、ドキュメントサイズは仕上がり(148×100ミリ)では無く、それより上下左右に3ミリ大きくしたサイズにします。3ミリ余分な部分は、後で仕上がりサイズに断裁した時に、周りに紙の白い所が出ない様にする為です。(詳しくは過去のブログ記事2007/03/27 - 塗り足しをご覧ください)

新規作成.jpg

解像度は350dpiにします。(過去のブログ記事2007/05/22 - 解像度もご参照ください)

印刷での解像度の適性をイメージで表現すると下の図のようになります。
150dpi以下だと画像が粗く感じられるようになります。

画像解像度01.jpg
 
大きい画像を調整するには「画像解像度」のウィンドウを開き、「画像の再サンプル」のチェックを外し、ドキュメントサイズを入力します。この時、解像度が350dpi以上あればOKです。
画像解像度があまりにも高すぎてもデータが重くなるだけで、品質に差が出るわけでは有りませんので、もう一度「画像解像度」のウィンドウを開き、「画像の再サンプル」のチェックを入れ、350dpiと入力します。
このサイズでピクセル(画素)数を見ると2122×1461px=310万画素ですので、デジタルカメラでしたら400万画素位で撮影した画像であれば対応できる事になります。

解像度.jpg

逆に小さい画像(解像度の低い)画像を350dpiにしても、ブロックノイズは軽減出来ますが、データが重くなるだけで品質が良くなる訳では有りません。(ボヤケタ感じになります)
解像度を一度落としてしまうと、元の品質には戻りませんので、最初に出来るだけ解像度の高い画像を用意して、それを元にして、必要に応じて適切なサイズと解像度の画像を別に保存するようにしましょう。

画像解像度.jpg

カラーモードはCMYKにします。(Photoshop-ElementsではRGBモードしか無いようです)
印刷はCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)のインキを使って印刷します。
CMYKで表現できる色の範囲はRGB(モニター表示色)より狭く、RGBからCMYKに変換すると(印刷するにはCMYKに変換します)CMYKの色範囲より外の色はCMYKの範囲の中へ押し込められますので、下の図のようにくすんだ感じになってしまう場合が有ります。(色によってはあまり変化を感じ無い物もあります。)
Photoshop-Elementsで作成される方は、ビビットな色使いや輝度が高すぎないように注意しましょう。
また、RGBの黒い色をCMYKに変換しても、黒にはならず、C90%M90%Y90%K80%(合計350%=版量といいます)位になり印刷では多量のインキが混ざり合う事になり、乾燥不良や汚れなどの原因にもなります。
特に黒い色をバックに細い(小さい)白抜き文字などは文字がつぶれやすくなったりしますので、RGBで作成されるときはデザインにも注意が必要です。


    (RGB画像)            (CMYKに変換した画像)
RGB.jpgCMYK.jpg

次にレイアウトですが、文字などは仕上がり線ぎりぎりですと、断裁時のズレで少し切れてしまう可能性と見やすさを考慮して、仕上がりより2~3ミリ内側にレイアウトするようにしましょう。
 
レイアウト.jpg

最後にデータの保存ですが、最初はフォトショップデータ形式(PSD)で保存し、入稿用データにEPSで保存します。
特にテキストを入力している場合、EPSデータでは文字のアウトライン情報やシェイプ情報を含みますので、弊社にご使用の書体がない場合でも、書体化けを起こすことはありません。(保存時には必ずオプションの「ベクトルデータを含む」にチェックを入れます。チェックが無いと文字は画像化されます。画像統合しても文字は画像になります)
また、保存時の警告にも有りますが、EPS保存後データをフォトショップで開くと文字はラスタライズ(画像化)されてしまいますので、修正作業等は出来なくなります。必ず先にPSD形式で保存しておきましょう、そしてプリントビズへはEPSデータを入稿しましょう

EPSオプション.jpg

文字に関してはベクトルデータの方が滑らかで、クッキリとします。
画像では文字回りがギザギザした感じになりますが、画像解像度が350dpi程度では、あまり気にはなりません。

文字比較.jpg
 

プリントビズでは間もなく年賀状印刷の受付が始まります。
お気に入りのご家族やお子様、かわいいペットちゃんの写真でオリジナルの年賀状を作られてみては如何でしょうか?

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