こんにちは。初めまして、4月から入社しました森川です。
前回の杉山に引き続き、私も研修等で学んだことをめいっぱい皆さまにお伝えできればと考えています。今回は紙の目についてのお話しです。
突然ですが、皆さまは新聞紙などの紙を破ったことはありますか?
真っすぐきれいに破れる方向と、横に曲がってうまく破れない方向があると思います。
破ることができない紙でも、水で濡らすと縦向けと横向けどちらかに曲がり、違いがわかります。
それと同じように、私たちプリントビズが扱う印刷の用紙にも紙の目と呼ばれる繊維の向きがあります。
紙の目は縦目と横目に分けられ、印刷物の元となる紙(全紙)で見た時に長辺に平行になるものを縦目(T目)、長辺に垂直になるものを横目(Y目)といいます。
そもそもどうして紙に目があるのでしょうか?
それは、紙が製造される際に、原料である木材をほぐしたもの(パルプ)が送りだされる方向によって繊維に流れができるからです。
紙の目は、コート135kgなどの厚い紙に折や製本などの加工をする際、品質を決める重要な要素になります。
まず、折について簡単に説明します。目と同じ方向に折を入れるときれいに仕上がり、
目とは垂直の方向に折を入れると、折り目ががたがたしてしまい、きれいに仕上がりません。
この性質を考慮して私たちは全紙の目の種類を選ぶ必要があります。
全紙を断裁していくことで皆さんのよく見るA4やB5などの紙のサイズになります。
例えば全紙で縦目だったものを半分に切ると長辺に対して目の方向って変わってしまいますよね・・・そこがまた難しいところなんです。
紙のサイズについては「A4とB4どっちが大きい?」をご覧ください。
次に紙の目は、図のように製本にした時に使いやすさや耐久力が変わります。
厚い紙を製本にする際、紙の目は左下の図が正しいものになります。
右下の図にしてしまうと本が開きにくく、耐久力のない本になってしまいます。
(コート110kg以下の薄い紙に印刷する場合は、目の方向はほとんど影響しません。印刷精度を高めるために逆目で加工をすることがあります。)
さて、紙の目についてご理解いただけましたでしょうか?
何気なく見ている中綴じ冊子印刷や無線綴じ冊子印刷、折パンフレット印刷には、実はこんな工夫があったんですね。プリントビズで冊子や折加工の入った印刷物をご注文していただいた際には、一度確認してみてください。